Story

都会の喧騒から離れた片田舎の町、梹榔町(ひょうろうちょう)。
取材のためにそこを訪れた雑誌記者――加原夏樹はひたすらに苦悩していた。

名産品もなければ、目玉となる観光施設もない。
そんなところを取材して特集の記事を組めだなんて、上司も無茶を言うものだ。

そんなある日、立ち寄った川の浅瀬で、夏樹は見知らぬ少女と出会う。

みのりと名乗るその少女から梹榔町に伝わる「水神様」の噂を聞いた夏樹。
どうやらその神様は実在していて、人間を捕まえて食べていたという伝承があるらしい。

所詮は子供の言うこと。
信憑性は薄いのだが、考えたところで他に目を惹くものもない。

夏樹はみのりに連れられ、軽い気持ちで水神様の秘密を追うことにするが――